ブラック研究室

T大生物系のブラック研究室について

ブラック研究室の修論

そろそろM2の修論の時期ですね〜

修論で思い出したのが、

ブラック研究室にいたとき、修論を教授に読んでもらえなかったこと。

というのも、ブラック研の教授は金のことしか考えていなかったので、

基本、金になる投稿論文以外の学生の論文は読まない。

ドクターのも読まないし、修士や学部生なんてもってのほか。

 

学生は、先輩が書いた修論を見て、見よう見まねでなんとか論文を書いて、

チェックどころかディスカッションすらされていない内容の論文を

堂々と提出する。そしてそれが受理され、なぜかほとんどの学生は卒業する。

 

運良く、中間管理職的な上司(準教、助教、ポスドクなど)が

似た専門で、その上司が偶然暇だったら読んでもらえるけど・・・

自分の場合は与えられたテーマが異質すぎて、

自分以外、誰も理解できず(もちろん教授すら理解していない)、

内容について誰とも話さないまま提出しました。

唯一上司と話した内容は、論文の最後にある感謝とかそういうのを書くセクションについて。なぜならそういった面子に関わることには敏感だったから。誰がって?もちろん教授です。

生物系のブラック研究室について【Part3】

最後です。ここまで読んで、なんでそんなブラック研究室なのに辞めないの?なんで研究室を変えないの?そもそもなんで院にいったの?などと思うかもしれません。それらに答えて行きたいと思います。

 

なんで院に進んだの?

➡理系で、研究職につきたかったから院に進みました。現状として、修士号をとらないと研究職として就職できません。

 

なんで最初にブラックだと見極められなかったの?

➡そもそも別の研究室を志願していたのですが、くじ引きでブラック研究室の配属になってしまいました。3年の終わりに配属になり、院試験が終わる9月ごろまでは研究室に行く義務がないので、研究室のブラックさがわかりませんでした。卒論研究を初めて、違和感を覚えつつも、学部生にはまだ甘く、進学して本格的ブラックを経験し、気づいた頃にはもう遅かったのです。

 

研究室を変えればよかったのでは?

➡そもそも「研究室を変えることができる」ということを知ったのはかなり手遅れになってからでした。修士1年のはじめに危機感を覚えて、学生相談所やアカハラ相談所を訪れましたが、「研究室を変えるなんで無理。耐えろ、我慢しろ、それは普通」などと言われて、納得してしまいました。結局、研究室を変えられると知ったのは、就活もはじまったM1の冬、うつ病が悪化したあげく、研究室内で自殺未遂し、それを相談員に話した所、やっと「実は研究室を変えられるようにしてあげられるけど」と言われました。遅い!遅すぎる!就活も始まって、内定もかろうじて一つもらっていて、いまさら留年のリスクを抱えて研究室を変えるわけにはいきませんでした。

 

自分から積極的に環境を改善できなかったのか?

➡上に述べたように、恥ずかしながら研究室内で自殺未遂をはかりました。その頃は、実にささいなこと(地雷)で先生に何度も説教されたり、指導を頼んでも受けられず研究が進まなかったり、就活を目前にして研究成果のなさに絶望したり、いろいろと落ち込んでいました。深夜に自殺を計り、通りかかった別の研究室の教授に止められました。しかし、要因の多くが研究室にあり、自殺未遂したことを教員らが知っているにも関わらず、私にはなんの声もかけられず、腫れ物扱いとなりました。前からそういう人たちであると知っていたため、特に驚きませんでしたが、内部の人間はすでに腐っているため、彼らを変えて行くことは難しいと思いました。

➡また、外部から変えて行く方法も検討しました。命をかけて初めて、アカハラ相談員が建設的なアドバイスをくれましたが、それでも変わらないと行けないのは私であり、教授ではないと言われました。「教授に注意する制度はないので注意できない」といわれました。制度がないから、無理。まさに公務員クオリティです。おそらく、実際に人が死んでも、彼らは教授らを守り続けるでしょう。制度がないから。アカハラ相談室以外にも学生相談室とも交渉を試みましたが、彼らもやはり「セクハラ以外は証拠なしに注意できない」。証拠というのはつまり、写真や録音などです。しかも、アカハラが明らかなものではなくては行けない。いまさら集めろと・・・。労働基準監督署なみに働かない人たちです。当時、気力がなくなっていた私は、ここで力つきて断念してしまいました。

 

そんなんでよく卒業できたね

➡当研究室には、指導どころか、教授や教員が修士論文をチェックする制度がありません。ですので、私は、裏技を使って卒業しました。本当はいけないことなのでしょうが、他大学で同じ分野で博士に進学している年上の友達がいたので、彼に修士論文を見てもらいました。論文の書き方や、考えのまとめかたを教えてもらい、出来上がった論文を添削してもらい、無事審査通過。かなり危うかったです。友達のいる大学に進学すれば良かったと心底思いました。

 

長くなりましたが、少しでもブラック研究室について知って頂ければ幸いです。

生物系のブラック研究室について【Part2】

険悪な雰囲気。密告制度がある中で、雰囲気がよくなるわけがない。特に上級生になればなるほど、「周りはみんな敵」と思い込んでいるので、たちが悪いです。教員は教授のイエスマンしか集まっていません。博士にいたっては、長年の説教によって教授の思想に洗脳されているので、まるで教授の分身のように振る舞います。

指導は、ない。放置プレイ。「人とは成人した時点で立派な研究者である・・・指導なんかしなくても、研究できる。指導をほしがるやつは、成果ばかり求めるいやらしい人間だ」。教授の名言です。学部生だろうが、なんだろうが、指導はしません。2週間の研修期間で基礎的な実験方法を教わり、そのあとは完全放置です。メンターなんかいません。実験器具の場所も、デスクの場所も教えてもらえないので、自分で探さなければなりません。当然ながら、研究室に会話はほとんどなく、喋っているとしたら実験器具を売りつけようとしている営業のおっさんくらいです。また、テーマが全員ばらばらなので、自分の研究に関連した研究をやってる人もいないので相談ができません。教員及び先生は、どの生徒がなんのテーマを研究しているのか知りません。ちなみに、テーマは全て共同研究先からもらってきます。教授が大量にテーマを貰ってくるので、一人あたり5テーマと無理難題な数を押し付けられます。そして、共同研究室との連絡は禁じられているので、相談できず、研究室内の人にも相談できず、孤立していきます。共同研究をやったことがある人にはわかると思いますが、相手との棲み分けをするために、自分がすることを許されている実験が限られているため、思うように研究を勧められません。そして、研究がんばるぞ!とやってきた学生が一人一人潰れて行きます。

 

異常なうつ病率。うつ病はブラック研究室の職業病です。だいたい半分くらいの人が煩い、残りはもともと精神的にタフか、教授や研究室の毒気から逃れて自宅に引きこもっています。

 

尊敬できない教授。どんなにブラックでも、教授が天才で研究が有意義だったら、耐えられるのではないでしょうか。しかし、上にのべたように、研究は非常につまらない。そもそも内容自体も程度が低く、T大なのに駅弁大学からテーマを貰ってきてるくらいですから、技術的にも陳腐なことしかやっていない。とにかく「どうでもいい論文をカルピズを薄めるがごとく極限まで薄めて大量に評価の低い論文を生産する」というのが研究室の方針です。論文の数によって、研究費の取りやすさが違ってくるらしいです。そしてこの教授ですが、彼の持っている能力は「カルピスを薄める能力」。これだけ。専門性はとくになく、日頃論文も呼んでいないので、セミナーではなんの発言もせず寝てるし、生徒と研究について話すこともできません。だって、何も知らないのだもの。思うに、この教授というのは、我々の血税を使って儲けて地位と権力を高めることしか考えていません。働き始めて思ったことですが、経済をまわすのは民間の仕事であり、税金を使う公務員や大学教員は間違っても税金で儲けたいと思ってはいけない。利益とは関係なく良い研究をして欲しいという意味を込めて研究費を税金から出してるのに、それで目先の利益に走る教授は、心底、軽蔑します。

生物系のブラック研究室について

自分の所属していた研究室の話をします。ブラック研究室にはいろんなカテゴリーがありまして、中でも有名なのはとにかく労働時間が長い「激務系研究室」、そして次に指導をなにもしない「放置系研究室」だと思います。私の所属していた研究室は「激務かつ放置系研究室」でした。Part1 - 3 で詳しく説明します。

 

【Part 1】

 

サビ残つき労働時間。コアタイム」制度がありまして、この制度では週6日x7時間は「出勤」して「タイムカードに打刻」しなければなりません。しかし、実際はこのコアタイムの他に「サービス残業」が求められます。なにがサービス残業かというと、普通ならコアタイムは守って、コアタイムに終わらなかった分だけ居残って実験をするのだと思いますが、当研究室では、実験や研究の有無にかかわらず、とにかく一日平均12時間まで働かなければならない。つまり毎日5時間の無意味な時間・・・することがなくても研究室に滞在していないといけない時間・・・企業で言う「上司の帰宅待ちサビ残タイム」のような制度があるわけです。早く帰ると、後から説教されます。というのも、研究室の全員がお互いのタイムカードを観覧可能であり、教員たちは仕事の片手間にタイムカードを監視しています。不自然な打刻をしている生徒を見つけたら、電話をかけて行動を確認します。早く帰ったら教授にチクります。一度、VPNを構築して自宅から打刻を試みた勇者がいましたが、研究室専属ITスペシャリストによって捕まりました。ちなみに祝日は休めますが、留学生に限っては「外国人に日本の祝日はあてはまらない」とかとんでも理論を持ち出し、彼らは年中ほぼ無休で働いています。さらに、博士に進学するとサビ残タイムが日曜日にも作られるので、ほんとに無休です。

 

お前のグラントも俺のもの。普通の研究室ではポスドクが個々にグラント(研究費)を獲得して、それを各々の研究のために使います。教授も、自分でグラントをとってきて、それをポスドクに配ったり、全体をとりまとめて指導や指揮を行います。しかし、当研究室ではポスドクが集めてきたグラントがまず教授によって吸収されて、それを教授がポスドクに配ります。この制度のなにが悪いかというと、教授に財布を握られているからポスドクは好きな研究がなにもできません。さらに、せっかくとってきたグラントを、研究とまったく違うところに使われてしまいます。うちの教授の場合、とにかく権力が大好きで、「王様」になりたがる人なので、ポスドクがもってきたグラントを使って研究室を拡大しまくりました。おかげで、近年では50人近くが在籍する巨大研究室になりました。秘書を何人も雇って教授室をハーレムにしました。そして、その分研究の質は下がり、ポスドクの「使い捨て感」が強くなりました。

 

留学生という名の出稼ぎ研究生。当研究室はほとんどが留学生です。うちの教授と外国の教授の間になにやらグレー臭のする「約束」があるらしく、同じ大学の同じ研究室から毎年数人の留学生が送られてきます。この留学生たちにはまったくなんの非もないのですが、とにかく教授の扱いがひどい。留学生「留学生は日本人よりも働くべきだ」「なまけたら国に送り返すぞ」「君の国って粗悪なものばかり売ってるんでしょ?」「もっと○○人らしくしたらどうだ」などとモラルのかけらもないことをいう教授。彼にとって留学生は安くてこき使える労働力でしかありません。

 

密告制度・私語厳禁制度・被害妄想。研究室内の人間関係もひどいです。研究室内には私語厳禁のような雰囲気があります。例えば生徒A、Bが仲良くしていて、Aがなにか失敗して先生を怒らせたとします。実は教員よってAとBが最近よく話しているということはすでに先生に情報として提供されています。でえすので、Aが失敗したとき、それはBの影響じゃないか?Bも悪いんじゃないか?Bも呼んでこい、二人まとめて説教する。という展開になります。特によく問題を起こしている生徒は「俺に近寄るな話しかけるな、話しかけたらお前も叱られるぞ」などを周りに忠告してあげるのがせめてもの優しさです。

 

そこら中に、地雷。地雷が異常に多いです。飲み会で礼儀作法を一つ間違えたら地雷。教授へのメールで敬語を一つでも間違えたら地雷。先生の機嫌が悪い時に自分の研究について相談したら地雷。先生の前で消しゴムを落としたら地雷。地雷を踏むと、先生から数時間の説教を受けます。ひどい場合は、まずは、みせしめとして他の生徒数人の前で説教。そのあと、秘書を使って自分を援護させながら説教(○○君はほんどに最低だな。秘書君もそう思うよね?等)。そして最後に研究室のメンバー全員があつまる場で、説教。このフルコースを受けると大体の人が精神病になります。いじめみたいなものです。

 

無意味な会議。毎週6時間、無意味な会議があります。教授は会議中、ずっと昼寝をしています。論文紹介をしても、研究報告をしても、ほとんどディスカッションをせずに終わります。二年間通ったけど教授が研究について話してるのを見たことがない。

 

[Part2]へ続く

 

はじめに

ブラック企業は最近問題視されるようになってきましたが、ブラック研究室についてはまだあまり知られていないので、少しでも多くの人に知ってもらうために、ブログをはじめました。

 

場所はT大、生物系研究室。

この5年以内に修士で卒業しました。

現在は社会人。研究してたころよりずっと人間らしく生活できてます。

所属していたときになにかもっと抗議すればよかったと思いますが、その時は気力が全て削がれてなにもできず・・・・。このブログを通して少しでもブラック研究室についての認識が広がり、研究の世界の環境が改善されることを願っています。